第63回上智大学夏季神学講座より
上智大学名誉教授 ハビエル・ガラルダ
「わたしが望むのはいつくしみであり、生け贄ではない。」(ホセア6;6)
「まず行って兄弟と仲直りをし、それから帰ってきて供え物を捧げなさい。」(マタイ5;24)
アガペーは、隣人愛、「人を大切にする」行いです。
「アガペーのアニメー」とされている善きサマリア人のたとえ話(ルカ10;25~37)
「アガペーは情け(いつくしみ)深い。」(Ⅰコリント13;1~8 <愛の讃歌>)
神の望みは、「正義を行い、いつくしみを愛し、へりくだって神と共に歩むこと、これである。」(ミカ6;8)
「正義には、正しさと共に心の温かさも含まれる。しかし、正しさを選んで、心の温かさを忘れた人間は、正義の名をうたって、非常に不当なことを繰り返してきたのである。」(A.カミュ―)
また、イエスはハンセン病を患っている人々に近寄りました。(マタイ8;2)
「貧しい人々、悲しむ人々は幸いである。」(マタイ5;3 <山上の垂訓>)
イエスの価値観は、その「幸せ」の説明になります。
即ち、愛は幸福で愛を裏切る罪は不幸だという簡単明瞭な価値観です。
なお、貧しさと悲しみは、謙遜、感謝、共感、忍耐を強めます。
この四つは、人間を愛に近寄らせます。
だから、愛である神に近くなり「貧しい人は幸いだ」という訳です。
自分が目立たなくても~(ルカ9;45)
従って、問題の原因とその解決を追求します。
ホームレスの人におにぎりを与えると同時に、
「何故この豊かな日本にはこんなに沢山のホームレスが居るのか」
という現状の原因と解決を求めます。
いつくしみの次の4点を園丁は表します。(ルカ13;6~9)
いつくしみの忍耐を明るくするためには、要するに冷たく我慢することではなく、「明らかに見る」という意味の諦めです。
即ち、その人の良い点も見ることです。
その人の言葉と行いをなるべく良い方に解釈することです。
また、その人に対する偏見や妬みを取り除くことです。
(ルカ6;41~42 <丸太とおがくず>)「木の廻りを掘って、肥やしをやってみます」
山登りの仲間の一人が遅れる時、皆が上で待つより、二三人が降りてゆっくりと
一緒に上るのです。
「来年実がなるかもしれません」
川の向こう側に行った人が戻りたい時に戻れるには、自分は川にかかる橋になるということです。
忍耐と信頼感。イエスは弟子を信じていました。
園丁は、木のことを主人に願い求めました。
つまり…